日本歯科医師会と国立がん研究センターによる、医科歯科医療連携事業のがん患者歯科医療連携講習に行って来ました。
少し、ご報告させて頂きます。
ご存知のように、過去には不治の病といわれていた「がん」ですが、
現在では研究が進み、治癒の指標とされる5年生存率は著しく向上しています。
そして、患者さんにとって、より負担の少ない治療、負担の少ない手術が開発されています。
しかし、外科手術後に合併症を起こしてしまうことがあり、
合併症の1位は誤嚥性肺炎で20%と合併症の1位を占めています。
誤嚥性肺炎の原因の多くは不潔な口腔内環境である。ということが判ってきました。
そこで、がん手術の前に口腔環境を整えて、合併症の肺炎を防ごうという取り組みを医科歯科が連携して行うという考えです。
お口の中を不潔なままにしていると、手術中に経口挿管しているときに、口腔内細菌が肺に垂れ流し状態になってしまう。
また、術後免疫力が落ちている時に汚れた唾液を気管に誤嚥してしまい肺炎を起こすというのです。
抗がん剤を使用するようになった時も、抗がん剤の中には、口腔粘膜の炎症を起こすものが多く、医科歯科の連携が大切なのです。
医科の先生方が、歯科の重要性を認識して下さった事は、嬉しいことですが、同時に大きな責任を任されたことを認識した一日でした。
がんだけでなく、全身麻酔を行って手術することになった患者様にも、このような観点から、
口腔内環境が大切であることを知って頂きたいと思います。